本院診療健康コラム

疲労・補薬

冬の高齢者の健康管理方法

冬は血液循環や活動量の低下により、高齢の方の疲労、消化、筋力の問題が目立つことがあります。食事や補薬は、体質と服用中の薬を併せて確認する必要があります。

診療室で冬になるとよく耳にする言葉があります。「食欲が減って元気がありません」「体が冷えて動きたくありません」といったお話です。高齢の方の冬の健康は、ひとつの滋養食だけで解決する問題ではなく、体温・循環・食事・睡眠・活動量を併せて見る生活管理から始まります。

寒さが体に与える負担

気温が下がると、体は熱を守るために血管を収縮させます。この過程で、手足の冷えやこわばりをより感じることがあります。外出が減って活動量が落ちると、筋力が弱まり、腸の動きも鈍くなって、便秘、消化不良、食欲低下につながりやすくなります。室内にいる場合でも、1日に何度か短時間ずつ体を動かす習慣が必要です。

食事は温かく、消化しやすく

高齢の方の食事は、「たくさん」よりも「継続して、消化しやすく」が大切です。ご飯やお粥、汁物にたんぱく質の食品を少しずつ添え、脂っこすぎるものや冷たい食べ物はお腹をさらに不快にすることがあるため、調整するとよいでしょう。水分摂取が少ないと便秘やめまいが強くなることがありますので、心臓・腎臓疾患で水分制限を受けている場合でなければ、ぬるめの水を分けて飲むことをおすすめします。

健康食品と補薬を選ぶとき

健康食品は名前が良さそうに見えても、現在の体の状態に合わないと、胃もたれしたり睡眠が不快になったりすることがあります。特に降圧薬、糖尿病薬、抗凝固薬、抗血小板薬などを服用中の場合は、新しく摂取する前に診療時に必ず併せて確認する必要があります。服用中の薬を自己判断で減らしたり中止したりして、健康食品で代用することはおすすめしません。

麝香拱辰丹はどのような方に合うでしょうか

原方麝香拱辰丹(ウォンバン・サヒャン・コンジンダン)は、韓医学で気力低下、過労後の回復、高齢期の虚弱感などを見る際に検討する処方です。ただし、すべての高齢の方に同じ方法で用いる処方ではありません。熱が多いか、消化力が弱いか、睡眠や血圧の状態はどうか、服用中の薬は何かを確認したうえで、用量と服用時期を決める必要があります。

冬の生活管理はこのようにしてみましょう

  • 朝起きてすぐ急に外へ出るより、室内で軽く体をほぐす
  • 転倒予防のため、外出前に靴底と歩行補助具を確認する
  • 食事は抜かず、温かいものを少しずつ分けて食べる
  • 昼間に日光を浴びながら10~20分ほど歩く。難しければ室内でその場歩きをする
  • 胸の痛み、突然の片側のまひ、ろれつが回らない、意識低下がある場合は、119または救急外来を先に利用する

冬の高齢者の健康管理は、大がかりな方法よりも、毎日繰り返す小さな習慣のほうが大切なことが多いです。気力低下が長く続いたり、食欲減退、体重変化、めまい、睡眠の問題などが併せてある場合は、単なる老化として済ませず、診療を受けることをおすすめします。現在の体力と疾患、服用中の薬を併せて確認してこそ、食事や補薬もより安全に選ぶことができます。

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