
診療室で「消化がいつも遅く、胸やけもあるのですが、内視鏡では慢性萎縮性胃炎と言われました」というお話をよく伺います。一時的な胃もたれ程度と考えて消化薬だけを繰り返し服用し、不快感が長く続く場合もあります。慢性萎縮性胃炎は、胃粘膜の炎症が繰り返され、粘膜が薄くなり機能が弱まった状態です。そのため、症状だけを抑える方法よりも、胃が回復しやすい環境を一緒に整えることが大切です。
胃粘膜が薄くなると起こる変化
胃粘膜は、食べ物、胃酸、外部からの刺激から胃を守る重要なバリアです。慢性的な炎症が長く続くと、このバリアが弱くなり、胸やけ・酸っぱいものが上がる感じ・吐き気・お腹の張り・食後のもたれが繰り返されることがあります。萎縮性変化がある方は、腸上皮化生などの粘膜変化を伴うことがあるため、定期的な胃内視鏡での確認も重要です。
なぜ繰り返すのかを一緒に見ていきます
胃炎は、ひとつの理由だけで起こるとは限りません。不規則な食事、早食いの習慣、遅い時間の夜食、飲酒や喫煙、過労や緊張、辛く塩辛い食べ物が重なると、胃粘膜への負担が大きくなります。私は診療の際、痛みの場所や食後の変化、便の状態、睡眠とストレス、服用中の薬まであわせて確認します。
韓医学的治療の方向
韓医学では、長く続く胃腸疾患を、表には不快な症状が現れ、内側では消化機能と気力が弱くなっている状態としてあわせて捉えます。胸やけが強い時期には、胃酸の刺激による不快感を和らげる韓方制酸剤などを検討し、同時に胃腸の動きと消化力を助ける治療を並行します。粘膜を保護し、繰り返す炎症を減らすためには、体質と症状のあらわれ方に合わせた処方が必要です。
生活管理が治療の土台です
- 食事は抜かず、食べ過ぎるよりも少量ずつ規則的に召し上がるのがよいです。
- 辛く塩辛い食べ物、揚げ物、飲み過ぎ、夜食は胃粘膜を刺激することがあるため、控えてみることをおすすめします。
- 食後すぐに横にならず、軽い散歩で胃からの排出を助けます。
- コーヒーや炭酸飲料は、胸やけが強い日には避けるのがよいです。
- 鎮痛消炎剤や抗血栓薬などを服用中の場合は、自己判断で中止せず、担当の医療スタッフに相談する必要があります。
このような場合は受診をおすすめします
消化不良と胸やけが2週間以上繰り返される場合や、内視鏡で萎縮性胃炎・腸上皮化生と言われたことがある場合は、受診してみることをおすすめします。黒い便、血が混じった嘔吐、原因の分からない体重減少、飲み込みにくさ、強い腹痛がある場合は、遅らせず医療機関で確認が必要です。突然の意識低下や麻痺のような救急症状を伴う場合は、まず119または救急外来を利用してください。
慢性萎縮性胃炎は、今日の胸やけだけを見る疾患ではありません。胃粘膜を刺激する生活を減らし、弱くなった消化機能を確認しながら、必要な検査を見逃さないバランスの取れた管理が重要です。不快感が長く続いているなら、一人で我慢せず、現在の胃の状態と体質に合う方法を一緒に探してみてください。
