本院診療健康コラム

慢性皮膚疾患

成人の慢性ニキビ管理法

繰り返す成人ニキビは、皮膚の表面だけの問題ではない場合があります。食事、睡眠、ストレス、体質をあわせて確認しながら管理します。

診療室では、成人ニキビで長く悩んでこられた方によくお会いします。思春期を過ぎれば自然に落ち着くと思っていたのに、あご、頬、額に炎症が繰り返され、跡まで残って気持ちが沈んでしまうというお話も多くあります。ニキビは表に現れる皮膚の問題ですが、生活リズムと体のバランスをあわせて確認することが、悪化要因を減らす助けになります。

成人ニキビはひとつの原因だけでは考えません

ニキビは、毛包と皮脂腺の周囲に炎症が起こる皮膚疾患です。皮脂分泌、角質の停滞、細菌の増殖、炎症反応が関わり、そこに過労・睡眠不足・ストレス・月経周期・消化状態などが加わると、繰り返しやすくなります。

韓医学の診療では、顔の炎症だけを切り離して見ません。熱感、汗、便の状態、食習慣、疲労度、体質的な特徴をあわせて確認します。同じニキビのように見えても、胃もたれしやすい方、顔のほてりが目立つ方、月経前の悪化がはっきりしている方では、管理の方向が変わることがあります。

圧出より大切なのは、炎症を大きくしないことです

すでに出ている面ぽうや膿疱は、適切な処置が必要な場合があります。ただし、自宅で手でつぶしたり針で触ったりすると、感染が広がったり瘢痕が残ったりするリスクが高くなります。赤く痛む炎症が繰り返される場合は、皮膚の状態を確認したうえで、安全な方法で管理するのがよいでしょう。

マスクを着用する機会が多い方は、摩擦と湿気であごや頬のトラブルが増えることがあります。マスクの内側が湿ってきたら交換し、洗顔後は皮膚に残った水分をやさしく拭き取ってください。ヒリヒリ感や乾燥が強いときは、機能性製品をいくつも重ねて塗るより、刺激を減らすケアを優先します。

サラダだけの食事も皮膚には負担になることがあります

皮膚のことを考えて、野菜だけを多く召し上がる方がいます。しかし、たんぱく質や必要な栄養が不足すると回復力が落ち、疲労がたまることがあります。お腹が冷えやすい方や消化が弱い方は、生野菜を多く食べるほど胃もたれが強くなり、皮膚のコンディションも揺らぎやすくなることがあります。

  • 生野菜だけにこだわらず、加熱した野菜も一緒に召し上がってください。
  • 卵、魚、豆腐、赤身の肉など、たんぱく質を毎食適量とるようにしてください。
  • 糖分の多い間食、夜食、過度の飲酒は炎症を悪化させる要因になり得るため、減らすとよいでしょう。
  • 便秘や下痢を繰り返す場合は、腸の状態もあわせて確認するとよいでしょう。

このような場合は相談をおすすめします

  • ニキビが3か月以上繰り返される、または徐々に深く痛みを伴って出てくるとき
  • 炎症後の色素沈着や陥凹した瘢痕が残り始めたとき
  • 月経前後、ストレス後、特定の食べ物を食べた後に悪化がはっきりしているとき
  • 処方された薬を服用中だが、乾燥感、胃の不快感などで管理が難しいとき

服用中のお薬や塗り薬は自己判断で中止せず、診療時にあわせてお知らせください。高熱、顔全体へ急速に広がる腫れと痛み、目の周りの強い炎症を伴う場合は、遅らせずに診療を受けることをおすすめします。

慢性ニキビの管理は、何を塗るかだけにとどまりません。皮膚表面の炎症を慎重に扱いながら、食事、睡眠、ストレス、消化状態と体質をあわせて整えていくことが、皮膚の揺らぎを減らす助けになります。無理な圧出や極端な食事制限よりも、自分の体に合った継続的な管理が先です。

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