
診療室では、冬になるたび風邪がなかなか離れないというお話をよく伺います。薬を飲むと一時的によくなるように感じても、また喉がいがらっぽくなり、鼻が詰まり、咳が長く続くという形です。このような場合は、目の前の咳や鼻水だけを見るのではなく、体が外部刺激に耐える力、韓医学でいう正気と肺の機能をあわせて確認する必要があります。
冬に呼吸器が弱くなる理由
冷たい空気と乾燥した室内環境は、鼻や喉の粘膜を敏感にしやすくします。粘膜が乾くと外部刺激に対する防御力が低下し、もともと鼻炎や副鼻腔炎がある方は、鼻づまり・後鼻漏・痰がよりつらくなることがあります。体が疲れていたり睡眠不足の状態では、回復も遅く感じられます。
韓医学では肺と正気をあわせて見ます
韓医学では、肺は呼吸だけでなく、皮膚や鼻、体表の防御機能とも深く関係すると考えます。風邪を繰り返したり長引いたりする方には、外からの邪気を取り除く治療とともに、体内の正気が不足していないかを確認します。寒さを特に苦手にするか、汗をかきやすいか、食欲や消化が落ちているか、過労が蓄積しているかを見ることで、処方の方向が変わります。
瓊玉膏はいつ検討できますか
瓊玉膏は、高麗人参、生地黄汁、白茯苓、蜂蜜などを基本とする伝統処方です。疲労が蓄積し、気力が落ちて風邪の後の回復が遅い方、胃腸機能が弱く体力がなかなか上がらない方に、補助的に検討できます。ただし、誰にでも同じ量や方法が合うわけではないため、胃がもたれる、熱感が強い、服用中の薬がある場合は、診療後に服用方法を決める方が安全です。
生活管理も治療の一部です
- 室内の湿度を適切に保ち、喉が渇く前に温かい水を少しずつ飲みます。
- 外出時は、首と鼻が冷たい風に長時間さらされないよう保温します。
- 風邪気味のときは、過労・飲酒・夜更かしを控え、回復のための時間を確保します。
- 鼻づまりが長引くと口で呼吸するようになり、喉がさらに乾燥することがあるため、鼻炎の管理もあわせて行います。
- 処方されて服用中の風邪薬、吸入薬、抗生物質などは自己判断で中止しません。
このようなときは診療をおすすめします
咳が3週間以上続く、または黄色い痰、繰り返す発熱、息切れ、胸痛を伴う場合は、診療を受けることをおすすめします。呼吸困難が強い、意識低下、唇が青くなる症状がある場合は、韓医院の受診よりも119または救急外来の利用が優先です。
冬の呼吸器ケアは、風邪をひいた後の対応だけでは十分でないことが多くあります。私は症状の部位とともに、体力、消化力、睡眠、寒さへの反応をあわせて見ながら、肺と体のバランスを回復する方向でお手伝いしています。繰り返す風邪を軽く考えず、ご自身の体の弱い部分を点検してみてください。
