
診療室で、出産後のお母さんたちが最も多く口にされる悩みの一つが体重です。妊娠前の服が合わず、むくみが長引くと気持ちが焦ることがあります。しかし出産直後の体は、「減らすべき体」というより「回復すべき体」に近い状態です。私は、産後ダイエットの計画を立てる前に、気血、関節、子宮の回復状態を先に確認することをおすすめします。
出産直後の体はなぜ弱くなるのでしょうか
出産の過程では出血と体力の消耗が大きく、その後も悪露が排出されながら回復過程が続きます。妊娠と出産を経て、関節や靭帯は普段より緩んでおり、睡眠不足と授乳が重なると疲労が深くなりやすいです。この時期に冷えを感じる、関節が冷えて痛む、冷や汗、無気力、気分の落ち込みが一緒に現れる場合は、産後風の範囲で体の状態を見ていくことがあります。
産後補薬は時期によって目的が異なります
産後の韓方薬は、すべてのお母さんに同じ方法で使うわけではありません。出産直後は、瘀血と悪露の排出が円滑か、腹痛やむくみはどうかを確認しながら処方の方向を決めます。悪露が減り、体が回復段階に入ると、気血を補い、子宮と体力を整える方向に調整します。
鹿茸は、産後補薬で気血が大きく消耗したお母さんに検討される薬材です。ただし、誰にでも同じ量と組み合わせで使うわけではなく、ほてりが強いか、消化力が弱いか、授乳中の不快感はないかなどを併せて見る必要があります。関節痛が目立つ場合は筋骨格系の回復を助ける薬材を加え、不眠・不安・気分の落ち込みが大きい場合は心身の安定を助ける方向も併せて考えます。
ダイエットより回復の順序が先です
産後6週から100日前後は、体の基本的な回復を丁寧に整える時期です。この時に食事量を急に減らしたり、強い運動を始めたりすると、疲労が蓄積し、授乳や関節の回復にも負担になることがあります。産褥期の経過を確認しながら、軽いウォーキングとストレッチから始め、体重調整は体の状態が安定した後に段階的に取り組むとよいでしょう。
- 体を冷えにさらさず、汗をかいた後はすぐに濡れた服を着替えます。
- たんぱく質と温かい汁物、消化が楽な食事を規則的にとります。
- 手首・膝・腰に負担がかかる姿勢を減らし、授乳姿勢をこまめに確認します。
- 睡眠が不足しやすい時期には、無理な活動を減らし、回復時間を先に確保します。
このような時は相談をおすすめします
- 悪露が急に多くなったり、悪臭、発熱、強い腹痛を伴う時
- 関節の冷えや痛みが長引く、または手首・膝を使いにくい時
- 気分の落ち込み、不安、不眠が強く、育児と日常生活の維持がつらい時
- 体重を減らし始めたいものの、授乳と体力低下が心配な時
強い頭痛、視野の異常、呼吸困難、片脚の強い痛みと腫れ、意識低下、自傷の考えがある時は、ためらわず119または救急外来の助けを先に受ける必要があります。産後ケアは、単に休む期間ではなく、これからの健康を立て直す過程です。焦って減量するより、回復の順序を守ることが、お母さんの体と心を安定してケアする道です。
