
診療室では、更年期以降に食事量は変わらないのに体重が増え、以前より疲れやすくなったというお話をよく伺います。この時期の変化は、意志の弱さだけで説明するのは難しいです。女性ホルモンの減少、睡眠の質の低下、ストレス反応、筋肉量の減少が重なり、体のエネルギーの使い方が変わるためです。
なぜお腹まわりから変わるのでしょうか
更年期には、同じ量を食べても以前より消費されるエネルギーが減ることがあります。特に内臓脂肪が増え、ウエストが大きくなる中心性肥満の傾向が出やすく、血糖、血中脂質、血圧の管理もあわせて確認する必要があります。体重計の数字だけを見るより、腹部脂肪とむくみ、筋肉量の変化を一緒に確認するほうがよいでしょう。
無理な食事制限が、かえってつらさにつながることがあります
更年期には、ほてり、汗、動悸、不安、便秘、むくみなどの不調を伴うこともあります。このとき食事量を急に減らしたり、刺激の強い減量方法を選んだりすると、気力がさらに落ち、睡眠や消化が乱れることがあります。食欲抑制剤系の薬を検討している場合は、現在の症状や服用中の薬、心血管系の状態を先に確認する必要があります。
韓医学では巡りと消化をあわせて見ます
私は更年期の体重管理を診るとき、単に食べる量を減らす問題としてだけ捉えません。消化が遅く、体が重く、むくむ場合には湿痰、つまり体内に滞った水分や老廃物の状態を確認し、のぼせ感や不眠がはっきりしている場合は、熱の偏りと自律神経の緊張もあわせて見ます。体質と症状に合わせて、胃腸機能、水分代謝、気力回復のバランスを整える方向で計画を立てます。
生活管理は小さく、継続して始めます
- 朝食を抜くより、たんぱく質を含む規則的な食事を続けます。
- 食べ過ぎ、過食、夜食は腹部膨満や体脂肪の増加につながりやすいため控えます。
- 膝や足首への負担が少ないウォーキング、室内自転車、軽い筋力運動から始めます。
- 睡眠時間が乱れると食欲と疲労がともに悪化することがあるため、就寝リズムを整えます。
- ホルモン剤や慢性疾患の薬を服用中の場合は、自己判断で中止せず、担当の医療スタッフに相談します。
このような場合は相談をおすすめします
- 体重増加とともに腹囲が急に増えるとき
- むくみ、便秘、消化不良が長く続くとき
- ほてり、発汗、不眠、気分の落ち込みが体重管理に影響しているとき
- 無理なダイエット後に気力低下や動悸が強くなったとき
- 突然の胸痛、呼吸困難、片側の麻痺、意識低下がある場合は、119や救急外来を先に利用します。
更年期の体は、以前とは異なる基準でいたわる必要があります。急いで体重を減らすことより、生活を続けられる体の状態を回復することが先です。自分の体の変化を正確に見つめ、体質と症状に合った方法を見つければ、更年期以降の健康管理もより安定して続けやすくなります。
